漢字  
 

2004-10/17 (Sun)

 
 

やっぱワープロができてから漢字って忘れてるよね。

こないだ遠い親戚を見舞いに行った時の事である。病院の見舞客リストに記載する時、入院者との関係欄に「親戚」って書こうとしたらその「戚」が出てこない。何せ親父の母の妹の息子であるがため、表現すれば私はその方から見れば従兄弟の子供であるが、そう書くのも煩わしいので「親戚」と書こうとしたのだが、「親」まで書いたところで考えてしまった。今更、「知り合い」とか「友人」とかでお茶を濁せない。

その時一緒に行かれた方がその方の奥さんでこれが生粋のインテリ。お子さん連中もそうそうたる大学を出られ、大企業に勤められており、それを誇りに思っているご様子で、二言目にはその話が出るようなお方。

私が考えているところを、『どうされました?』てな感じで覗き込まれて来た。これはいかん、バカがばれると思い「戚」と言うような字を、ムニュムニュってわざと字を潰してそれらしく書いて鉛筆を置いた。

そうすると奥さん、じーっと書いた見舞客リストをしばし覗き込んでいる。ツーっと背中に落ちる汗。そして振返り一言「こちらの鉛筆の方が尖っていて宜しいかも」と上品にのたまわれ、私に鉛筆を差し出された。ああ、きっと馬鹿がばれた。やっぱあの放蕩息子はこんなものかと思われたかもしれない。

要するに記載欄がまだ不十分でそれを追記されたらと促されたわけであるが、その後は、住所とかあったがもう字がしどろもどろ。字も最近ワープロばかりで書かないせいか、全く品位が欠ける字体に成り下がっている。きっとワープロのせいで人間の尊厳を失ったぞ。

そういえば、我がバンド「絶倫隊」のガネーシャ田嶋も同じような憂き目に会っている。その彼、あんな顔して同族企業とは言え、一応常務取締役である。その彼が銀行から融資を受ける際、取締役の「締」の字が書けず、「取しまり役」と書いたそうである。

あれで融資の話が破談になるのではないかと嘆いていたな。