関西王国へ  
 

2004-8/1 (Sun)

 
 

ま、いろいろあってね。

実は昨秋、ロンドンとかアムステルダムとかに赴任はどうか?なんて話があったこの私。憧れのヨーロッパ、二つ返事で「行きます!行きます」と言ってから半年、いよいよヨーロッパへ向けて西へ飛び立ったら、何だか途中で失速して降り立ったのが関西王国の首都の大阪。

「あり?」とか思ったが、一つのところにじっとしていられないこの私。であれば一度大阪に住むのも悪くなかろうと、すぐ方針転換し既に3ヶ月。昼は梅田のコテコテの定食屋、夜は新地の怪しげなバー、そして休みは京都や奈良等に足を伸ばしたりして、もう十分大阪人だ。

で、住まいは十三(じゅうそう)。東京人にはピンと来ないが、要するに東京で言えば新大久保のような所と思って頂きたい。十三西口は風俗営業の巣窟だし、東口はラブホテル街。その東口のラブホテル街の真っ只中に私のマンションはある。

何でまたそんな所を選んだのかと言うと、新大阪と伊丹空港に近く、また新地の会社へも淀川を渡りわずか自転車で20分と言う、交通の利便性を考えた結果に他ならないのであるが、世間の人はそうは取らない。

社に戻り、十三に決めたと伝えると、皆目を見開き

「流石、どっか違う思うてましたー」
「動物的嗅覚働きまんなー」
「駅から3分?ちゃうちゃう、(どっかの店とかネーちゃんに捕まって)3時間は掛かりまんがなー」

とか言われ放題。弊社西日本支社の長い歴史上、転勤者で十三に住んだ者はいないそうだ。弊社の総務からも「ちょっと住むとこ考えてくださいよー。ドンパチ大丈夫なんですかー?」とか小言を言われた。

でも、マンションはこぎれいだし、裏手はすぐ大河の淀川で土手から望む梅田の光景は、ちょうど私が住んでいたニュージャージー州から、ハドソン河を挟んで望むマンハッタンの風情。なかなか宜しい。

また、今のところ毎日自転車通勤なので、十三の街中を通らず、即裏手の十三大橋から淀川を渡って梅田に出てしまい、一切不穏な場所を通らない。弊社も新地にはあるが、曽根崎新地の一丁目では無く二丁目なので、飲み屋街では無い。然るに非常に健康且つ健全なのである。

でも、人に「十三から新地に通ってます」と言うと「水商売ですか?」と聞かれる。

「ま、そんなもんです」と答えてはいるが。