献血  
 

2003-9/7 (Sun)

 
 

こないだ新宿で献血をしようとした。

採血前の質問項目に「AIDS検査をされますか?」とあったので、YESに○を付けたのは言うまでも無い。そのような心当たりがあるかどうかと言うよりも、やはりこの世の中、いつどこでうつっていても不思議では無い。例えば、散髪屋のカミソリ、ウオシュレット、病院での不十分な消毒の注射針等々。何も性交渉しなくても、危険はそこいらに転がっており、いつのまにか病魔に犯されているかもしれないのだ。ちなみに駐在前の96年の検査ではシロであった事を申し添えておく。

で、YESと付けると当人のプライバシーを守る必要があるらしく、周りから遮られたカーテン付きの質問コーナーに呼ばれ、更に詳しい質問をされる。曰く「男性と性的交渉を持った事があるか。海外で性的交遊をした事があるか」等々。

その質問票に記入すると、出てきたのはまだインターンに成り立てでは無いかと思われる妙齢の女性。白衣に身を包んでいるが全く幼く、赤らんだ頬は雪焼けか、東北地方のどこかからこの大都会にやってきた感じ。思うに明らかに処女だ。

で、その女性、私の質問票を手に取ると、半ば社交辞令的な笑みを浮かべ、若干はにかみながら「海外に駐在されてたんですね。そこでいろいろされたんですか?」と来た。

う〜む、いろいろと言われてもこの明らかに処女と思われる女性の前で、「いやー、ホッテントットの逆さずりとか情痴の大車輪とか海外ではいろんな技がありましてねー」とは言えない。何て答えてよいかわからず、「いや、まあ、お客さんとかもたくさん来ますし、それは5年も駐在すればいろいろと。いや、私がそうしたと言うよりはムニャムニャ」とか言ってお茶を濁すと、その女性、やはりはにかみながら

「大人ですねー」

「大人ですねー」とは何とも不意を突かれた表現。「海外交遊=大人」って言う解釈も何とも強引ではないかと思うが、でも処女の彼女(もう決めつけてる)、このような中年男の前で斯様な質疑応答をする場合に考えに考え抜いた反応なのであろう。でも初々しいではないか。昨今のこの殺伐として退廃した若い世代の中にあって、一服の清涼剤であったぞ。

でもよくよく聞いたら、何とAIDS検査は献血所では無く保健所で行うとの事。じゃあ質問票書かせるなよ!と若干拍子抜けしたが、職務を忠実にまっとうしようとする彼女の態度に清清しさを覚えながら、献血所を後にしたのであった。

ちなみにAIDS検査はシロでしたので宜しく。何が宜しくだ?