ストーカー  
 

2003-5/25 (Sun)

 
 

ストーカーと言う人種が騒がれ始めたのは、ここ数年らしい。

ストーカーは英語では「Stalker」と書き、動物が獲物を狙うと言う意味だそうだ。何でも大きく分けて「色恋沙汰のもつれ型」と「片想い型」に別れ、前者が最も悲惨な結末を迎えるケースが多いとの事。要するに、別れ話のもつれって奴。最近も新聞に良く載ってる。

一方、「片想い型」は例えばクラスのマドンナとか、スターとか手の届かない人物に対する行為であって、お互いが付き合ったわけでは無いので、その分悲惨なケースは少ないと聞く。

最近、講談社プラスアルファ新書の荒木創造「ストーカーの心理」と言う本を読んだが、いやはやその心理の凄い事凄い事。久々に一気に読みきってしまった。と言うのも、この作者が実際にストーカーにインタビューし、その独特の心理を非常にうまくドラマチックに表現しているせいもある。下手な小説よりよっぽど面白い。興味のある方はどうぞ。

ストーカー自身は、エスカレートしてくるとその行為をどこかで止めなければと思う反面、それができず、ついには客観的に誰かが止めてくれるまで、止められなくなるらしい。客観的に止めるとは、例えば逮捕される、相手を殺す、自殺すると言うケース。要するに破滅するまで駄目なのだそうだ。自分では止められなかったストーカーが逮捕された時「これでやっと止められる」との心境になってホッとするらしい。

そうなる前に止められるケースは、ストーカーが社会的地位が高い人は、その人の上司や親族に思い切って告げる。そういう立場の人は世間体をやはり大事にするので、これは効くとの事。面白いのは逆に相手に対してストーカー行為を行う事により、止まるケースがあるそうだ。やられたストーカーはその時、自分の行為の酷さに気付くって寸法。

ストーカーになり易い人は、自己中心的で夢想家に多いらしい。要するに何を言っても自分の非を認めない人。こういう人は危ないらしい。また、自分の事を秘密にしておきたい人が、この人ならってある人を信頼し、自分の事を洗いざらい話してまったが、その信頼していると思った人が、冷たくなった場合なんかも良く起こるらしい。

いずれにせよ、人は皆、ストーカーになる傾向があるらしいが、通常はそんな行為は恥ずかしい事だと思うプライドがそれをさせないとか、社会生活に生きていると仕事が忙しく、いちいちストーカー行為などやってられなくなり、そのうち忘れてしまうとかで、なかなかストーカーまで発展しない。要するにヒマな奴ほどストーカーになるらしい。

いずれにせよ、巻き込まれたら自分一人では解決できない問題なので、相談するには恥ずかしい事もあるであろうが、一時の恥は忍んで協力者を仰ぎ、隙を見せないように対処する事が肝要なのである。

警察に相談しても警察は事件が起こってからでないと動かない。しかし動いた時は時既に遅いと言う事がままある。また、この作者は、警察は人の身になって考えると言う思慮に欠けているのが問題だと批判していたな。心理学面での教育が必要だと。

やはり、自分の身は自分で守らねばならないのである。