はしか  
 

2003-3/23 (Sun)

 
 

実は22歳の時にはしかに罹った。

はしかと言えば、当然幼少のみぎりに終えているはずのもの。最近ではワクチンを接種し、罹らずに終えてしまうケースも多いと聞く。しかし私の22の時はそんなワクチンなど無く、皆一度は罹る病として知られていた。

当時、まだ2,3歳だった姪がゴールデンウィーク前に相次いではしかに罹ったので、その看病をしたのだが、2,3日すると微熱が出てきた。風邪かなと思い医者に行くと「夏風邪でしょう」との診断。半ばふざけて「はしかの看病してたのですが、はしかでは?」と言うと医者は「君ィ、幾つなの?通常、こんな歳まで罹らない人は、既に抗体ができているはず」と一笑にふされた。元々当の本人も既にはしかに罹ったかどうかなどは覚えておらず、母に聞くと「さあ?罹ったんじゃない?」と言ういい加減な返事。

ところがである。数日すると口の中に斑点ができてきて熱も一向に下がる気配が無い。そこで再びこないだの医者に行くと、医者は私の口の中を見るなり、驚いた様子で「はしかだ!」とうめいて目をひん剥いた。何でも歳がいってから罹ると非常に重いとの事で、ゴールデンウィークは医者も休みになるから入院した方が良いとの指示で、緊急入院と相成ったのである。

確かにその後1週間は顔は歌舞伎の隈取りのようになるし、9度の熱は下がらないし、上から下からゲーのピーで大変ではあった。でも医者はこの22にもなってはしかになったお目出度い奴が気になるらしく、いろんな医者が入れ替わり立ち代わり診に来た。酷い奴はカメラ持ってきて、「君は貴重なサンプルだから写真を撮らせてくれ、はい、手のひらを返して顔の横において」とか言って、笑いながら写真撮っていったぞ。どこかの学術書かなんかに私の写真が載ってるかもしれない。

でもそのはしか以降、偏食の極致であった私の嗜好が明らかに変わった。好き嫌いが無くなり、酒も飲めるようになった。何でもこのような大病をやるとホルモンの分泌が変わり、嗜好が変化することはままあるそうだ。と言う事は私の場合、22歳でようやく大人になったと言う事か。

最近そのはしかで死亡する乳幼児が増えているとの事である。何でも今の26歳以下のお母さんの世代は三種混合ワクチンの時代で、抗体はあるものの擬似感染なので、その抗体が弱いそうだ。通常、赤ちゃんは1歳まではお母さんの抗体を引き継ぐため、免疫が有りはしかにはかからないそうだが、この場合その抗体が弱いためそうでもないらしい。

また、三種混合ワクチンは副作用の問題があったため、現在は義務付けられておらず、1歳から7歳までの間に接種するのが望ましいとの指導があるだけとの事。従い、自ずと体力の無い幼少時を避けて、ある程度歳が行ってから接種させるのが傾向らしいが、これが乳幼児のはしかによる死亡率を上げているそうである。欧米は1歳までに接種するよう義務付けられているそうで、その点はしかによる乳幼児の死亡率は日本ほど高くないそうである。

と言う事だから、新ママ達。もしこのHPを読んでいたら、子供のはしかについてはよくお医者さんと相談の上、対処されるのが良いと思う。私のように運良く22まで罹らない人もいるが、歳行ってからのはしかもそこそこ辛く、それこそ高熱で子種を無くすケースもあるらしいから、良し悪しである。

私は幸い子種はあったようだが。