女性の裏表  
 

2003-2/11 (Tue)

 
 

アメリカにとあるピアノバーのママさんがいた。仮にAさんとしておこう。

ピアノバーと言っても何の事かわからない方もいるかと思うので、若干説明すると要するに日本で言えば、クラブの事だと思ってもらえば良い。その日本人専用のクラブをアメリカではピアノバーと言うのだ。

そのAさんは某社のBさんの馴染みであった。私が駐在する時もBさんから「Aをよろしく頼む」と言われた物であった。従い、私もそのAさんのピアノバーへ何回かお邪魔したのである。その時AさんにBさんの話をすると「あ〜、Bさん会いたいわぁ」ってな感じで、鼻を鳴らし遠くに視線をやって懐かしむのであった。その姿を見れば、当然AさんとBさんは只ならぬ関係であったのでは無いかと詮索したくもなったものである。(実際はどうなのかは全く知りません)

そのAさん、ある時水商売から足を洗ってしまった。何でもブティック経営を始めたとの事。そしてその後、Bさんが久々にニューヨークへいらっしゃる事になった。

当然私は、Bさんは勿論、AさんもBさんに会たかろうと思い、早速AさんにBさんが来る旨伝えるべく電話をした。そしたら、その返事は意外な事に

「え〜、今忙しいから結構よ」

その抑揚無く、怠惰で、面倒臭そうな語調。今までのBさん恋しやの態度はどこへやら。あれはやはり、客商売用の営業的パフォーマンスであったか?それにしても、あの時の態度とはうって変わったあまりの態度の違いに思わず背筋が寒くなったのを今でも覚えている。人間ここまで豹変できるのか?この出来事に女性の怖さを痛感したわけである。

しかし、その後Aさんはまたピアノバーに復帰した。そして私のところにも電話してきて、明るく「今度来て下さいねー!」だって。

凄いなあ。