育毛剤  
 

2002-6/7 (Fri)

 
 

親愛なる禿予備軍から「育毛法についても書くのですか?」との切実な問い合わせがあった。ではその要望に応えねばなるまい。

そう、所謂増毛法とかかぶり物とかの物理的対応法と異なり、本来の髪を維持あるいは蘇らせる方法が育毛法であろう。その中でもやはり一番典型的なのは育毛剤の類である。時代時代で画期的な育毛剤が世に出回りもてはやされた。例えば、日本ではまず不老林とか紫電改。冬虫夏草がどうのこうのとか言って、各メーカーが禿たちの人心を惑わし、凌ぎを削ったものである。無論当時私も惑わされた一人であるが。

その中でも一大ブームを巻き起こしたのが、中国産の101とかダーバオ。手に入れるためにあの手この手を尽くして入手したのがついこないだのような気がする。その101であるが、既に平家の落ち武者然としていた某社のT田課長はこれを入手して、青春再びとばかり、頭に塗りたくったは良いが、それが肌に合わなかったらしく、頭全体が赤くかぶれてしまい、ただでさえ顔がでかく説得力のある面持ちが、ますます人間離れし妖怪のようになり、皆が恐れをなしていたのを覚えている。それで毛が生えてくればまだ良かったが、返って皮膚状態を悪化させ、貴重な頭髪を失ってしまったかと思うと本人は忸怩たる思いであったろう。

最近は何と言っても大正製薬のリアップか。これは元々高血圧の薬で、アメリカで高血圧の治療薬として患者に投与したところ、毛が生えてきたと言う結果から育毛剤として売り出されたものである。成分はミノキシジルと言う物で、アメリカではロゲインと言う商品名で売られていて、薬中成分が3%の物と5%の物がある。日本は1%の物しかなく、アメリカと比べその分効きが悪いのでは無いかと思われる。また、頭頂部から来る、所謂「カッパ禿」にしか効かず、そう言った点からは万能な毛生え薬とは言い難い。

私もこれは米国駐在時代利用したが、果たして効いたかどうかは何とも言えない。要するに頭半分塗りたくって、塗った片方が塗らなかった片方より、毛が生えてきたらそれは効き目があったと言えるが、そんなことは出来ない。

また、使っていても結果禿てしまい、クレームを言っても「使っていたから今までもったのです。使わなかったらもっと早く禿てたんですよ」って言われたら返す言葉も無い。