心霊体験  
 

2002-4/1 (Mon)

 
 

ちょうどオカルトの話になったので、そんなに数は多くは無いがいくつか披露しよう。

私の高校時代の友人が24歳と言う若さで亡くなった。そいつは病床にあっても私に頼めばみんなに伝えてくれるとばかりに、私の事を結構頼りにしていた。

しかし、治療の甲斐無く残念な事に亡くなってしまったのだが、それから命日とかお盆になるとよく私の夢に現われた。必ず同じ夢で砂漠のようなところを彼が歩いていて、私とすれ違い、私が「どうだ調子は?」と言うと「まあボチボチ」と彼が応えると言った感じであった。そして私はいつも盆と命日には欠かさず墓参りに行っていたのである。

そんなある年、忙しさに感けてお盆の墓参りに行かなかった時がある。気にはなっていたが、なんとなく行かずにズルズルとしていたある朝、通勤で地下鉄に乗っていた時のことである。

いつもの通り満員電車の中、ドアの方を向いて立っていた。外に見えるのは地下鉄だから、自分と社内の様子がガラスに映っている。そして神谷町を過ぎた時、ふとガラスに目をやると何と私の肩越しに、死んだはずの彼が映っている。

げげげげげげげー!出たー!と思ったが、なんせ満員電車の中、振り向いて確かめるわけにも行かず、驚いて目をパチクリさせていたのである。

そして次の霞ヶ関駅で満員電車から吐き出された私は、後ろにいるはずの彼を探した。すると彼は下を向いたまま、無表情に他の乗客と共にエスカレータに乗って行ってしまったのである。

しばし、呆然とその姿を見送る私。しかしどう見ても彼で、しかも生身の人間そのもの。はっと我に返り、遅刻しそうであったので再び地下鉄に飛び乗ったわけである。

会社につくとやはり彼の親しい友人であったAに電話をして、状況を説明すると彼は
「すぐ墓参りに行こう!」
と行って、私とAはおっとり刀で墓参りに行ったのである。

その後、やはり彼は毎年夢に現われたが、13回忌を迎えた年からは現われなくなった。

仏教では13年を過ぎると別の世界に行くとの謂れが有り、きっと彼もそこに旅立ったのであろうと今は思っている。

安らかに眠って下さいね。