七回忌  
 

2002-3/27 (Wed)

 
 

今日は親父の七回忌。早いものだ。

どういう親父だったかはNOVELの「父の事」を参照されたい。七回忌の法要自体は先々週に行ってしまったが、その席でのことを話そう。

幸いお袋は健在だ。そのお袋、説教好きでも有名で、私の高校の同期は当時家に遊びに来ると、必ず説教されるのでみんなビビッていた。「うちの息子みたいになっちゃ駄目です!」といつも最後に締めくくるのだが、大きなお世話である。とは言っても当時私はグレていて、あと一日高校にいかなかったら留年といったていたらくであったのだから致し方無いが。何でも親は成績表の成績より先にいつも出席日数をチェックしていたらしい。

そのお袋、娘、息子や孫や曾孫の総勢十数名に囲まれて、その説教癖がでないわけない。乾杯の音頭の後、早速その有り難いお話が始まったのである。

話し始めて5分も経ったろうか、その説教も興が乗りはじめ、日頃いつもお袋が口にする「感謝の気持ちを忘れないように」との常套句が口をついて出始めた。有り難い言葉とは重々わかりつつも、自分に酔い始めたお袋のその姿を、少し冗長だあるなー、と思い始めて、聴講者連中がちょっと中だるみの感じになった正にその時、そのマンネリ状態を打破し、再びみんなに活を入れる渾身の一発が曾孫の亮太君から放たれた。

「プ〜」

既に自分の弁舌に恍惚状態となって白目を剥いているお袋は気づかなかったが、横にいた私はその高らかな響きをしっかり耳にした。見るとその亮太君を抱いていた母親であり私の姪の真紀もそのあまりのタイミングの良さに、「クックック」と押し殺した笑いを漏らし、必死にお袋のスピーチを汚さないよう耐えていた。しかしその笑いを耐えるために、しっかりと亮太君のお尻に顔を埋めていたので、相当臭かったに違いない。

いずれにせよ、さすが親父の曾孫である。エンターテイメントの血筋はこの幼子にもしっかりと引き継がれている。親父もさぞかし草葉の蔭で安心したことであろう。