年齢  
 

2002-1/2 (Wed)

 
 

数え年で考えれば、この正月でまたみんな一つ歳を重ねた事になるわけですな。各言う私も十分人生もほぼ半ば過ぎたかと思われる年齢であります。でもあっと言う間だねえ。

やっぱり、30も過ぎれば次第に「年は取りたくない」と思うようになるのが、人の常でありましょうか。そして徐々に老いの苦しみを感じながら、これから人生を歩んで行く事になるわけです。

でも、室町時代の能の大家「観世阿弥」が歳を重ねることについてこんな事を言ってます。

人間にはそれぞれ「花」がある。ひとつはその人の人生を通じて咲かす事のできる「誠の花」。もう一つはその年齢でしか咲かすことのできない「時分の花」。

「誠の花」は生涯を通じてその人自身を現す、言わば「人格」とか「信念」とか「生き様」の事であり、年齢とは関係の無い物であります。一方、「時分の花」はその歳、その歳にしか発揮できない自分の「良さ」の事を言ってるのです。例えば、10代なら10代、20代なら20代にしか出せない「良さ」がある。また、無論50代なら50代の、80代なら80代にしか出せない「良さ」がある。

だから、「若い頃は良かった」なんて思わず、それはそれで若い人に任せて、自分は自分が出せるその歳々の「良さ」をキチンと発揮すれば良いのだ。。。と世阿弥は言いたかったのですな。

だから失った物を後悔する必要も無いし、それに固執することも無い。ちゃんと歳々において自分がやるべき事は用意されているのだから。

結局「自然」が一番美しいって事を気付くって事ですか。それが大事かと。