宇宙  
 

2001-12/29 (Sat)

 
 

Dr.Stephen Hawking.

と言うよりホーキング博士と言った方が通りが良い。そう、あの13年前超ベストセラーとなった「ホーキング、宇宙を語る」を書いた人である。当時私も読んだが、ビックバンが有り、宇宙はそれから膨張していると言う点以外はさっぱりわからなかった。今度は「ホーキング、未来を語る」を出すらしいが、前作が難しかったと言う意見をふまえ、今度は図版と説明を読めばわかるようになっているらしい。でも、新聞の宣伝に「ブラックホール内で情報が失われると、私たちの未来を予測する力はどう弱められるのでしょうか?」なんて質問が載ってるのを見ると、やはり今回もちょっとついていけないんじゃないか。ま、見てみよう。

実はこのホーキングと全く異なる意見を持つ人もいる。ちょっと手元に今本が無く、誰だったか思い出せないので、後日紹介するとして、この人の本は判り易かった。要するに「宇宙は膨張していない。即ちビックバンも無かった。宇宙は最初から今のまま存在する(定常宇宙論)」との主張。

宇宙が膨張している証拠となった天体の赤方偏移(光のドップラー効果)は遠ざかっているために起こるのでは無く、重力の関係で起こると言う説明。細かい説明は省くが、即ち「遠ざかっている=宇宙が膨張している」では無く「遠ざかっていない=宇宙は膨張していない」と言う主張である。

ちょっと光のドップラー効果を補足しよう。これは誰しも経験あると思うが、要するに救急車のサイレンの音が近づいてくると高くなり、遠ざかると低くなる奴は音のドップラー効果である。これが音と同じ波の性質を持つ光にも発生する現象のことである。即ち、天体の色が本来の色とは違って赤い色に偏って(=遠ざかってると言う事)見えるのである。ちなみに近づいて来るのは青く見える(青色偏移)。これが宇宙膨張論の根拠となっている。

無論、誰の理論が正しいかは神のみぞ知るであるが、直感的に言って数学的に導かれたホーキングの理論は美しすぎて、何かちょっと違うかなと。だってビックバン以前は虚数(2乗するとマイナスになる数)の世界があったなんて言われるとそれ何?って感じがする。

で、名前を忘れて申し訳ないが反ホーキング理論の方に宇宙がどうなっているかを語らせた部分があったが、これはなかなか面白かったな。ホーキングの理論では宇宙は膨張しているのだから、所謂「果て」があるわけだ。だからじゃあその「果て」の向こうは何だってな話になるが、この辺りもホーキング理論は個人的にはしっくりこない。

この人の理論によると3次元的に考えると例えば球である地球を例に取ると、ある人が東に向かって船を漕ぐと、最後は西から元の所に戻ってくる。今は地球が丸いのがわかってるから、この事は当たり前だけど、その昔、地の果てがあって端っこでは海の水がジャージャー落ちているなんて考えられていた時代では、信じられない事だったわけでしょ。で、同じような事が4次元的(即ち時間軸が加わる)に起こっているのが宇宙だと言う。つまり、どんどん宇宙の果てに向かって進んでいくと、極大から極小、未来から過去が全部繋がって元に戻ってくる。従い、宇宙に果ては無い。う〜む。よくわからんけどこれも直感的にだが、なんだかそんな気がする。

ま、いいや。難しいことはこれくらいで。じゃ、ゲダホームページのMUSICにある「君の瞳に」でも聞いて宇宙を感じてくれ。その次は「YOU ARE MY UNIVERSE」ね。