ウォシュレット  
 

2001-12/26 (Wed)

 
 

今日ははるばるドイツからの来客と飲んだ。その客人、国のお母さんに日本に来てレターを書いたらしいが、最初に感動して書いたことが日本のトイレの便座が温かかったことだそうだ。でもウォシュレットはまだ怖くて使ってないらしい。日本では既に常識となりつつあるが、確かに海外ではまだ珍しい。

そのウォシュレットで今は亡き親父のことを思い出した。

うちの親父。痔の展覧会のような人で下の病気でたいそう苦しんでいた。ある時、ウォシュレットなるものが発売されたのを知り、早速我が家に取り付けた。やはり清潔こそが下の病対策の基本である。かくして我が家は日本でもかなり早い時期にこの機械を取り付けた家になった。

しかし、発売当初は今のようにバイブレーション機能は無く、ただ単に水が出るだけの代物であった。従い、良く汚れを落とすためにはお尻の方をまんべんなく動かさねばならなかった。

それで家の親父、よく汚れを落とそうと思ったのか、はてまたこの機械で長年の労苦から解放されることがよほど嬉しかったのか、トイレの中で勢い良くグルグルとお尻を回していたのであった。

その結果、ある時ギックリ腰になった。

その時は今でも覚えている。トイレから親父の嬌声が聞こえたかと思うと、暫くしてトイレのドアが開き、親父が蛇男よろしくトイレからずるずると這いずり出てきたのである。どうしたのかと聞くとうめきながら「腰をやった」と一言。

それから親父は一週間会社を休んだ。無論本当の原因は人には説明できなかったはずである。これも文明の利器によってもたらされた不幸な事件と言えるのではないだろうか?

今や常識のバイブレーション機能もこのような犠牲の上に成り立った機能である。。。と思う。