癒し  
 

2001-12/16 (Sun)

 
 

人を癒すのは同情では無い。共感である。

「あ〜、その気持ちよ〜くわかるよ〜」とか「俺もあったぜ」とか聞くと、ああ、この人は分かってくれるとか、この人も同じ経験をしたのかとか、なんだ俺だけじゃないのかとか思って、癒されるのである。それが「気の毒に」とか「いつかきっとよく成るさ」なんてのはさほど人を癒すことにはならない。また同情がどこか上から下への行為、即ち哀れみに近いことからも、本当に癒せない理由になってる気もする。

では、いつでもどこでも共感できるかって言うとそうはいかない。やはり、それなりに同じような経験をしていなければならない事が基本である。と言うことは人を癒せる人はそれなりに苦労していないと駄目なのである。苦労すればするほど人に優しくなれるのはそういうことかと。だから挫折を知らないエリートなんかは人をまず癒せないし、ひょっとしたら人の気持ちをわからない奴が多い気がする。

でも癒そうと思って言葉を尽くしても駄目な時は駄目である。そんな時は百万語の言葉より、ただそっと抱きしめてやる方が良い場合だってある。もっと言えば何も言わずにただ静かに見守ってることが大事な時だってある。そのあたりの加減は本当に難しいよなあ。