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先日、飲茶の話を書いた。で、今度は「パインカット」の話を思い出したのでこれも残しておこう。
もう10数年も前であろうか、まだ私の勤務先が竹橋だった頃、昼休みは会社の同僚と近くの毎日新聞社の地下にある喫茶店に行くことが常であった。いつもいつも同じ物を頼むのは面白くないので、その日は何か変わったものを頼もうと思ったら、壁に「パインカット」と書いてある。
ん?なんだこれは見慣れない。でも語感から言ってきっとパインスカッシュかなんかの類であろう。パインは私の好物の一つだ。であれば今日はこれを頼まない手は無い。そこで、ボーイを呼び、威勢良く「パインカット」と声高らかにオーダーしたのであった。
待つこと暫し、他の連中が頼んだお決まりのコーヒーだとか紅茶だとかが来る中、私の「パインカット」は確かちょっと待たされたような気がする。そうしてまだかなまだかなとまだ見ぬ新メニューに心を躍らせわくわくと待っていたら、ボーイがパインを丸ごと運んでくるのが見えた。
「おいおい、どんな客だあ。あんなパインを丸ごと頼む奴は」と同僚に言った矢先に、予期せぬことにその丸ごとパインはドンと私の眼前に置かれたのであった。
「へ?」と驚く私。「これパインカット?」「そうです」と返すボーイ。するとボーイはおもむろに、パインの頭頂部を取ると中から出てきたのは、見事にカットされたパインの中身。
「う〜む。パインカットかあ〜。確かに」と思わず唸る私。大笑いする同僚。
仕方ないのでしっかり食いましたぜ。
教訓:雰囲気で判断するな。ちゃんと言葉の意味を考えるべし。
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