飲茶  
 

2001-9/3 (Mon)

 
 

その昔。確か高校時代であったと思うが、何かのパーティに招かれ新宿の中華大飯店と思しきところに行った。

そのパーティまで時間があるので時間を潰そうと、コメディアンで且つ元参議院議員であったコロンビアトップの次男とその大飯店のビルの中の茶を飲めるところを探した。しかし結局、そのような所は見当たらない。外に出るのは面倒だし、まだ若く紅顔の美少年であった二人に新宿の街に出て喫茶店に入ろうなどと言う勇気は持ち備えてなかったように思う。

しかしそこの中華レストランのメニューをふと見ると「飲茶」と書いてあるではないか。そうか茶も飲めるのかと二人してそのレストランによかったよかったとばかり、意気揚揚として入っていったのであった。

当然のことながら、パーティで飯が食えるのだからここは茶で十分。「飲茶」を注文し待つことしばし、出てきたのは蒸篭(せいろ)に入ったシュウマイらしきもの。

二人して顔を見合わせ、一瞬の沈黙の後

私「あの〜、これ何ですか?」
店員「ヤムチャでございます」
私「へ?飲茶ってお茶じゃないの」
店員「いえ、これが飲茶でございます」

そうか「飲茶」は飲むお茶って意味では無いのか!そこで新たな事実に遭遇し感動しつつ、その反面なんでわざわざこのタイミングでこんな物を食わねばならないのか、との後悔の念が交錯したその瞬間、同席していたかの友人がまたもや同じ質問を放った。

友人「これヤムチャ?」
店員「さようでございます」
友人「じゃ、ヤムチャおうかなー(止めちゃおうかなー)」

う〜む。やはり芸人の子供。このリアクションはあれから二十余年未だに脳裏に鮮明に焼きついている。

無論、飲茶はキャンセルしてくれなかったので仕方なく二人して頬張ったのは言うまでも無い。